人魚のミイラなどの正体の科学技術的調査は野暮?作成の目的や信仰への影響は?

人魚のミイラの正体は?

 

以前から話題になっていました「人魚のミイラ」

 

岡山県浅口市鴨方町にある天台宗の寺院・圓珠院に祀られているもの。

 

長年「人魚のミイラ」として祀られていたものの正体を現代の技術を持って解き明かそうというプロジェクトが2022年に始まりました。

 

そしてこの度、判明した正体は「それは極めて精巧につくられた「ミイラ」だった」そうです。

 

 

人魚のミイラなどの正体の科学技術的調査は野暮?

「人魚のミイラ」のような歴史的な遺物は他にも多く存在します。

 

そのような物への科学的調査実施への要望は過去にもあったと思いますが所有している方の了承が得られないケースもあったと思います。

 

いろいろな事情があると思いますが、今回科学的調査への協力の了承が得られたということ自体がスゴイと思います。

 

それぞれの遺物には今までの伝承されてきた物語などがあると思い、その内容との食い違いが生じることなども考えられるからです。

 

今回の「人魚のミイラ」はお寺にある古文書には

 

「古文書に書いてあるんですが、今の高知県=土佐の沖で漁師の網に引っかかった」

とのことでした。

 

しかし、今回、科学的調査によりミイラの正体が「精巧に作られたミイラ」と判明したので、古文書の内容との相違も判明。

 

古文書の内容への信仰があった方には、少し野暮と言う感じもします。

 

しかし、今回の科学的調査の結果に対する住職さんの見解を聞いて、なるほどと感心しました。

 

『仏様が木を彫って作られたものに魂が宿っている』のと同様のことかなと思います。これからも守っていき、また信仰のひとつの対象でもありますので、保存のもと供養してあげたいと思う」

 

 

人魚のミイラの作成の目的は?

今回の「人魚のミイラ」は「精巧に作られたミイラ」との結果が判明しました。

 

疑問に思うのが、なぜこのような精巧なミイラが作られたのか?ということですね。

そのヒントは制作された年代にもあるかもしれません。

 

はく離したウロコで放射性年代測定をした結果、1800年代後半の可能性が高いことが分かりました。

 

この時代は明治維新などの日本の歴史の中でも大変動期、大変革期にあたる時期。

 

明治政権により「廃仏毀釈」という日本の歴史における「大きな汚点」ともいうべき仏教文化の破壊活動が行われました。

 

信仰していたものが破壊されたことにより、代わりに「こころのよりどころ」になる対象としてこのようなミイラが挙げられたのかもしれません。