初の空き家税はなぜ京都から?空き物件増の現状や原因・なぜ売却しない?

 

 京都市が「空き家税」創設を国に提案し、それに対して国が同意する方針を固めたとの情報のニュースがが報道されました。

 

もし実現すれば、全国の自治体で初めて、空き家所有者に独自の税金を課すこととなります。

 

空き物件数の増加は全国的な問題と思いますが、なぜ「空き家税」の提案が京都からになったのか気になり調べてみましたのでご紹介しますね。

 

 

全国の空き物件数の推移は?

全国の住宅のうち,空き家数は820万戸となり,5年前に比べて63万戸(8.3%)増加しました。

空き家率(総住宅数に占める割合)は,平成10年に初めて1割を超えて11.5%となり,平成25年には13.5%と,20年に比べ0.4ポイント上昇し,空き家数,空き家率共に過去最高となりました。

右肩上がりに空き家が増加している様子が上のグラフでも見て取れますね。

出典:総務省統計局

 

なぜ空き家が増加するのか?

なぜ空き家が増加するのか?

空き家が発生する最も一般的な原因としてあげられているのは、マイホーム所有者の転居です。

自宅を所有する高齢者が老人ホームなどの高齢者住宅や子供宅などに転居することが大きな要因と考えられています。

 

そして今後、団塊の世代を含めた高齢者は急激に増えていきます。

それに伴い、空き家もどんどん増えてしまうのです。

特に駅から遠い利便性の良くない地域にある住宅街では空き家が一気に増加することが予想されています。

またそのような利便性のあまりよくない場所は中古物件としてもなかなか買い手がつきにくいことも考えられます。

 

なぜ京都で初の空き家税?大学の地方出身者数が影響?

平成 20 年住宅・土地統計調査によりますと,空き家は,全国で約 757 万戸(空き家率は 13.1%),京都府で 17 万戸(13.1%)となっています。

 

京都市においては,空き家は 11 万戸,空き家率は 14.1%となっており,全国および京都府の空き家率を上回っている。

 

それに加え京都は全国でも類を見ない地方出身大学生数になっていることも原因の一つと想定されています。

 

京都は世界有数の観光都市であるだけでなく、名門大学が多いため、単身者向けの物件が非常に大量に必要となることも空き物件不足の原因の一つと考えられています。

下のグラフの見られるように、京都は単身で住むことになる京都以外の地方からの出身者が多いことがあげられます。


出典:https://dot.asahi.com/print_image/index.html?photo=2018032500005_3&image=3

なぜ売却しないのか?

平成26年国土交通省アンケートでは、空き家を売らない理由のトップ3が

1位「物置として必要だから」

2位「解体費用をかけたくない」

3位「特に困っていない」

 

さらに、空き家所有者の空き家に対する問題意識が低いため、空き家が長期化しやすいようです。

 

また、もともとの所有者であった親が生きている場合は気持ち的にも売りにくいことや

相続等でもめているなどの場合も考えられます。

 

また相続した場合の不動産売却では共有相続した不動産の売却や建物の改築リフォームには、兄弟全員の同意が必要になるなど手間がかかることも原因の一つと思われます。

兄弟のうち誰か1人亡くなった場合、その兄弟の共有持分は、配偶者と子どもに相続されますなど、それぞれのご家庭の事情によって売却の手間が変わります。