阿波踊りはなんのため?チケット代値上げで伝統と経済効果はどうなる?
歴史も長く伝統的な祭りであるとともに、華やかさで注目を集める祭りですよね。
その注目度の高さや規模の大きさなどもあり主催者の方は運営が大変だと思います。
大きな祭りともなれば地元の方だけでなくいろんなところから多くの方が見に来ます。
観覧する方は出来るだけ祭りの良い場面を見ようと場所の確保が大変と思います。
踊りが見られる場所に行っても、すでにたくさんの人だかりがあって、見えるのは踊り子さんの姿ではなく、前の人の背中と頭だけになったり。
せっかくの祭りを見に来たのだから有料の席でもいい場所で見たいと思う人がおられるのは自然な流れではないかと思います。
見たいという人が多くなれば値段も上がってしまうという状況。
そんなチケット代金に関して阿波踊りで値上げに伴う懸念が生じているそうです。
祭りの良さが広まると祭りの本来の良さとチケット代金などから生じる収益とのバランスが悩ましいですね。
そんな状況を調べてみましたのでご紹介しますね。
- 阿波踊2023年のチケット代はいくら?
- 阿波踊りのチケット代は高すぎる?他の祭りのチケット代金は?
- チケット代金の値上げに対する地元の人の懸念や反応は?
- チケット代金の値上げに対する世間の反応は?
- 徳島 阿波 踊りの全国への広がりとチケット代金・来場者への影響
- 阿波踊りはなんのため?
阿波踊2023年のチケット代はいくら?
ニュースによりますと
阿波踊り実行委員会(事務局・徳島市)は3月、今夏のチケットを昨年比で200~1200円値上げすると発表した。1~4割の大幅値上げだ。さらに、「南内町(みなみうちまち)演舞場」(同市南内町)に1万5000円の指定席を100席新設する。最も華やかで人気のある「総踊り」を正面から観覧できる「VIP席」だ。
過去のチケット最高額は約6000円で、その倍以上の価格となる。
確かに、過去からのチケット代金の推移から見ますと非常に高くなったようにも感じられますね。
今回この大幅な値上げに対して懸念を感じることがニュースになっています。
過去の最高金額との比較という点において、そんな金額、大幅値上げして大丈夫なのか?という点が懸念の一つですね。
ですが、これについては阿波踊りの過去のチケット代金との比較だけでなく、
行われる祭りに対する対価として妥当かという点でも考えるべきではないかと思います。
そこで同様に他の有名な祭りのチケット代金も調べてみました。
阿波踊りのチケット代は高すぎる?他の祭りのチケット代金は?
今回の阿波踊りのチケット代金の急激とも思われる値上げについて、
阿波踊りと同様に注目度の高い日本の他の祭りのチケット代金事情等を調べてみました。
青森市で行われる有名な「ねぶた祭り」では、2022年に「1日2組の20万円席、同1組の100万円席」というVIP席の設定が話題となりました。
阿波踊りで物議になっている15,000円のチケット代金との比較でも破格であり、
逸れこそそんな値段で買う人がいるのか?地元の人が離れるのでは?
と非常に心配になる値段ですよね?
しかし、その内容は、「2階建ての専用大型桟敷席」「青森の伝統工芸品・金魚ねぶたの装飾」「白神ワインと食事つき」、100万円席はさらに「ねぶた師の解説つき」と、ファンにはたまらない演出が目白押しの内容なんだそうです。
しかも、注目はそのチケットの購入者です。
100万円の席は東京の方が、20万円の席は「売り上げが寄付と聞いたので」という地元の方が購入
遠方から来られた方が、せっかく来たのでということで良い場所で見たいと高額なチケットを購入したのは何となく理解できますが、地元の昔ながらの親しみのある祭りとの感覚と思われる地元の方が購入したということ、その購入理由が良いですね。
他の参考としまして、有名な祭りとして、「よさこい祭り」がありますね。
徳島県のお隣の高知県での有名な祭りの「よさこい祭り」でのチケットは2,500円ですね。
北海道の「よさこいソーラン」では一番高いチケットで5,000円というものもあるようです。
有名どころの祭りとして、「仙台七夕まつり」も5,000円や特別な場所によっては、7,000円や15,000円というものもあるようです。
そのようなチケット代金設定でも購入者はいますし、それぞれの祭りの来場者数は
非常に多いのです。
やはり、祭りにはこのチケット代金に見合う価値があると感じる方がおられるということですね。
チケット代金の値上げに対する地元の人の懸念や反応は?
なぜ、今回阿波踊りのチケット代金の値上げについて注目されたのでしょうか?
原因の一つはその値上げの幅にあるものと思われます。
過去の最高額が6,000円であるのに対して、今回の最高額は15,000円と過去最高額の二倍以上の開きがあります。
大幅な値上げでも払う価値があると思って来てくれる人がいるのか?
初の試みであることや当事者は状況が分からず不安に思うのではないかと思います。
もう一つは、祭りの興業化に伴う、祭り本来の意味から離れることと思います。
昔ながらの地元の人が気軽に参加できるところに良さを感じる方もいらっしゃると思います。
そのような方はそのような高額のチケット代金を払って参加することに今までとの違いに疑問を感じるのもやむを得ないかと思います。
今まで身近な存在と感じてた祭りが遠い存在と寂しく思ってしまうのも自然な感情ではないかと思います。
チケット代金の値上げに対する世間の反応は?
今回の大幅な値上げに対して、世間がどのように感じているかを調べてみました。
1万5千円を払ってでも迫力ある特等席で観覧したい人は一定数いるでしょう。
— 乙武洋匡 (@h_ototake) May 16, 2023
そういう意味では、「強気」ではなく適正だと思うし、もっと言えば、「まだ安い」気もします。
何より、この手法に舵を切らないと存続自体が危ういという事実に、もっと着目すべきかなと。https://t.co/BINxdO9f0o
需要があるんだからなんの問題もないでしょう。むしろ日本は伝統文化を安売りしすぎ。もっとやって良いくらい。
— 高木けんすけ (@kenken_omiya) May 16, 2023
https://t.co/pnHwbNme1O
値上げに対する批判的な意見もありますが、上述のようにやはり妥当とする意見も
多くありました。
値上げによる急激な来場者数減などへの懸念は少ないのではないかと感じました。
徳島 阿波 踊りの全国への広がりとチケット代金・来場者への影響
阿波踊りは徳島県を発祥の地として、その魅力から日本全国に広まっています。
北は北海道から、中国地方まで。全国で約30か所ほどに広まっています。
中には徳島県及び県人会などの指導により「東京高円寺阿波おどり」(東京都杉並区)の60年をはじめ、下北沢50年超、中目黒、三鷹、初台、神楽坂などが40年超、大塚、都立家政、中村橋、糀谷、経堂、小金井、神奈川大和、埼玉狭山ヶ丘、南越谷などが30年超の歴史を持っているものもあります。
そのような徳島県以外にも広がっていて、各地で阿波踊りが見れる中、高額なチケットを入手してまで徳島県の阿波踊りを見に来たい人がいるのか?という疑問もでます。
ですが、同様に全国に広がっている踊りである、「よさこい祭り」は今回の阿波踊りほどではないですが、
結構なお値段でもすごい来場者数になっています。
各地に広まっているイベントなどでも、やはり本場の物を見たいという要望はあるでしょうし、
国内だけでなく、海外からの知名度という意味でも、やはり発祥の地の利はあるのではないでしょうか?
なにより、良いものは対応する対価を払うべきという考えも浸透してきてるような気がします。
そもそも値上げは必要?
今回過去最高額からの値上げ幅で注目されている阿波踊り。
そこまでの値上げが必要なのか?調べてみました。
コロナ禍などの影響で2020年は中止となりその費用負担などでも問題になった徳島阿波踊り。
華やかな祭りでお金の話をするのも無粋な気がします。
しかし、伝統ある祭りを末永く皆が楽しむためには避けては通れないものですよね?
参考までに昨年(2022年)の阿波踊りの収支を見ますと
コロナ禍などの要因での来場者数減、それに伴うチケット販売の減少が響いたものの
その他の経費削減を進めたため、黒字化に繋げたそうです。
とはいえ、黒字幅は301万円とのこと。本格開催での黒字化は2017年以来とのことです。
何か少しでもマイナス要因があれば消えてしまいかねないくらいの黒字幅ですね。
昨年からの電気代や物価等の様々な物の値上げを考慮すると今回くらいの値上げをしないと赤字になるかもという懸念は主催者の方としては自然な思いかもしれませんね。
阿波踊りはなんのため?
今回の阿波踊りのチケット代金の値上げに対して、昔から親しみのある
地元や参加者の方にとっては「踊る阿呆に見る阿呆」という言葉にあるように
気軽に参加できる祭りという認識で、その雰囲気が続くことを願っていると思います。
それゆえ、今回のような値上げを聞くとその雰囲気か離れることへの危機感があると思います。
しかし、今回他の祭りなども調べてみて、値上げが必ずしもそのような危機感につながるものばかりではないと感じました。
祭りの本来の良さを感じる人と主催者の間の思惑の隔たりや今後の行く末についての懸念と思いますが、いずれも地元のよさ、発展を思う気持ちは同じなのでは?と感じました。地元の人が良いと思うものを地元の人以外の人にも感じてもらい良い祭りが
長く続いてほしいなと思います。