重力レンズ効果 とは?超大質量ブラックホール発見の新手法と従来の方法の違いは?

ダラム大学天文学者が率いるチームが観測史上最大級の超大質量ブラックホールを発見したことを英王立天文学会月報に掲載の論文で発表しました。

 

この発表ではその大質量のブラックホール発見する方法に重力レンズ効果が用いられたことにも注目が集まりました。

 

重力レンズ効果とは?今回新手法と言われる方法が今までの方法とは何が違うのか調べてみましたのでご紹介しますね。

 

重力レンズ効果 とは?

 

天体・銀河など質量を持つ物体が空間に存在するとその周囲の空間が物体の質量によってゆがみます。

 

その天体などの物体の背景の天体から電磁波がやってくると、その歪んだ時空を通過することにより、電磁波の進む経路が変わります。

出典:重力レンズとは

 

これを観測者から見ると、電磁波の進路が変わり、本来の位置とは違う方向から視線に入り込んでくるため(下図)、



あたかも重力源(この場合は銀河)がレンズ

出典:重力レンズ効果

のように光の進む方向を変える役割を果たしているように観測されます。

 

これを重力レンズ効果と呼びます。

 

重力レンズ効果の例は?

 

重力レンズは、アインシュタインが物理学の世界以外でも有名になったきっかけである日食時の星の位置の観察があります。

 

日食の時には太陽近くの星も観察することができます。

太陽近くの星の光は重力による影響を受け、太陽の質量に基づく重力があり、

その影響分だけ光の進路が変わります。

 

星の位置を日食の時(太陽の重力の影響を受けるとき)と日食以外に観察したときの位置の差があるかどうか、差があるならどれくらいあるのかを計算することにより重力の存在と重力レンズの効果が確認できることになります。

 

この観察で重力効果が確認されたことがアインシュタインを物理学の分野だけでなく

世界的に有名にするきっかけになった実験でした。

 

 

 

 

従来のブラックホールの見つけ方は?

 

新しい星などを見つける場合、通常は星、恒星が発する光を頼りに見つけることができます。

ですが、光すらも発することができず、吸い込んでしまうブラックホールはどのように見つけるのでしょうか?

 

エックス線やガンマ線を頼りにブラックホールの存在を見つけます。

 

ブラックホールそのものではなく、ブラックホールの周囲に発生する降着円盤(下図の白い部分)から発するエックス線やガンマ線を検知して見つけます。

 

降着円盤とはブラックホールに吸い込まれていく物質がお互いぶつかりあうことで摩擦が生じます。

出典:http://www.astronomy.orino.net/site/

 

その摩擦熱をエネルギー源としてガンマ線やエックス線が発生します。

それを検知してブラックホールを推定します。

 

エックス線、ガンマ線いずれも電磁波の一種です。周波数が異なります。

可視光線と言われる部分が通常私たちが普通に認識できる周波数の電磁波です。

出典:https://greenutility.co.jp/wave-type/